先日、閉鎖される木工教室の最終日に出席し、白書きと毛引きの仕込みをしました。
まず白書き(しらがき)です。白書きは木の繊維に傷を付けるようにして寸法線を引くための道具です。
中砥で表面を研ぎ、刃が付いたら、仕上げ砥で7:3の割合で表と裏を研いで仕上げました。
次に毛引き(けひき)です。毛引きは、直線が保証された板や角材に平行な線引くための道具です。
まずは分解して、刃を研ぎました。金属のヤスリを使い、裏を研いで平らにしました。鏡面のようにピカピカになったところで、表面を中砥で研ぎ、刃を付けました。最後に仕上げ砥で7:3の割合で表と裏を研いで仕上げました。
毛引きの本体部分の刃を納める穴も金属ヤスリで削り、穴を広げ、刃が出るように調整しました。
毛引きはどんな風に使うかイメージがしにくいと思いますが、平行な面に沿わせるようにしてそれに平行な線を引くことができます。
これらの道具が揃ったので、DIYをする際に、寸法決めがきちんとできるようになりました。
これで木工教室の閉鎖に伴い、卒業となりました。実に3年3か月にわたって通いました。
そもそも、日本料理人である私がどうして木工の世界に足を踏み入れたかと言いますと。
職場の先輩で、包丁の鞘を木で手作りしている人がいて、「私も作りたい!!」と思ったことがきっかけです。
しかし、作り方を聞くと、「表面仕上げに鉋(かんな)が必要だよ。」と言われ、自分一人では無理だとわかり、色々調べたら、この木工教室で体験入学があって鉋を体験させてもらえることになりました。
そこで鉋を使わせてもらってすっかり気に入ってしまい、入学することになりました。
その後、実際に私も木の鞘を作ることができました。
そもそも、料理と木は切っても切り離せない密接な関係があります。木のテーブルで木の器を多用して食事をするわけですから、木工を学んだことは私にとってものすごく財産になりました。
さらに、木工職人の刃物の扱い方もすごく勉強になりました。料理人も包丁研ぎを日常的にやりますが、木工職人はそれよりも遙かに精密に刃物を研ぎ上げて厳密に管理していました。私も鉋や白書きなどの研ぎの経験を通して、包丁の研ぎを向上できたと思います。
残念なことに木工教室は閉鎖されてしまうのですが、個人的に木工作業はずっと続けていきたいと思います。熱い気持ちを持ち続けていきたいです。
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