2025.10.6 ブログ開設20周年記念   リニューアルしました

自宅に作った包丁研ぎ環境

板前という職業柄、包丁を研ぐ環境にはこだわっています。

家でも、素早く正しい包丁研ぎができるよう、環境を整えております。

道具はこんな感じです。

  • 中砥
  • 仕上げ砥
  • 砥石用水槽
  • 砥石の面直し用ダイヤモンド砥石
  • 研ぎ台兼磨き台
IMG_2477

砥石用水槽というのは、砥石に吸水させるためのものですが、家でやろうとすると大きなボウルが必要となるところですが、砥石にピッタリサイズの長方形の容器であるため、省スペースで吸水ができます。もちろん、砥石の収納にも使います。これは、eBay(アメリカのオークションサイト)で落札した物で、昔の古い冷蔵庫の引出しに使われていたらしい琺瑯容器です。

研ぎ台兼磨き台は、DIYしたもので、現住居のキッチンにピッタリとはまるように作りました。

これらの道具を使ってどんな風に包丁を研いでいるかご紹介します。

まず、砥石台をシンクにセットして砥石用水層に水を入れて吸水させます。10分くらいたったら、中砥を取り出して、包丁を研ぎます。

IMG_2481

次に、仕上げ砥で仕上げます。

IMG_2482

砥石は、面直しのダイヤモンド砥石を使って平らに直します。

IMG_2483
IMG_2484

包丁は研ぐだけではだめで、さらに「サビトール」という錆取り消しゴムのような物を使って包丁表面の汚れや曇りを取り除きます。この時、砥石台は磨き台に早変わりします。手前に切り欠き(段差)を付けているので、包丁の柄がそこにはまり、刃を台にピッタリと密着させることができます。刃が浮かないので、安全に刃を磨くことができます。

IMG_2486

さらに、石けんを良く付けて泡立てたスポンジで包丁全体を洗います。

IMG_2487

ごらんください。切れ味が戻ってピカピカになった包丁を。左の包丁は8年、右の包丁は17年以上使っていますが、いつでもギンギラギンのキレッキレに戻せます。笑

IMG_2488
IMG_2489

DIYした細長い棒1本でかなりお手軽かつ本格的に包丁研ぎと磨きができるのが自慢です。

余談ですが、職場で後輩が包丁を研いでいるのを見たとき、あまりにもデタラメでびっくりしたことがありました。両刃の包丁なのに片面だけ研いでいたりとか、片刃の包丁のしのぎがぼやけてなくなっていたり、それは研ぐときの角度がおかしいからなのですが。しまいには鋼(はがね)の包丁をお湯で洗っていたりしました。特に熱湯で洗ったら包丁の焼きが戻る可能性があります。そしてそもそも砥石が平坦でないのを直そうともしない。中央が凹んだ砥石を平気で使っていました。同じ専門学校出身で同じことを教わってきたはずなのに、その人には何にも身についていないことが分かりました。一つ一つ丁寧に教えなければなりませんでした。

今後はこういった包丁のユーザーとして、正しい研ぎ方も次の世代に伝承していかなければならないと思いました。

励みになります。

応援のクリックお願いします<(_ _)>

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (4件)

  • こんにちは。包丁研ぎの工程、大変参考になりました。以前、包丁の研ぎ方を関市の包丁職人さんのところで教えていただき、その時に中砥があればとりあえずいいとのことで中砥だけ持っています。欄間やはり、仕上げ砥も必要でしょうか?
    あと、やはり砥石の面直し用もいるかなと?検討しています。持っている中砥がだいぶ凹んできているので。もし、素人でも使いやすいものがあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。

  • >>1
    yukaさん、こんにちは。
    コメントありがとうございます。
    切れ味を取り戻すのであればとりあえず中砥があれば十分ですよ。
    面直しは面倒かもしれませんが是非ご用意ください。砥石の表面を平坦にできなければ、そもそも研ぐ意味がなくなります。
    色々ありますが、写真にあるような、丸形のダイヤモンド砥石で、片面が400番、裏面が1000番のものをおすすめします。
    丸いので、両手で縁をつかみやすく、また、回転するのでランダムにすり減っていき、偏りにくいから取り扱いが楽です。
    分からなかったらまた聞いてください。

  • とっても参考になりました!
    砥石の水槽、サイズがぴったりですね。
    我が家では、そんな大きなボウルがなく28センチのフライパンに沈めていました。
    ブログを拝見して、何か代わりになる入れ物を探したくなりました。
    私は、中砥とサビトールしかもっていません。
    私でも、研げばそれなりに切れる様になるので、満足していたのですが、仕上がりの美しさに、憧れました。
    さすがです。
    砥石を平らにするダイヤモンド砥石なるものがあるという事も今回初めて知りました。
    プロの仕事は違うなあと、感心した次第です。
    ありがとうございました😊

  • >>3
    優くんママさん、こんにちは^^
    砥石のサイズにぴったりな容器を100円ショップなどで色々と探してみるのも生活の楽しみのひとつですよね。
    ホテルでは、キャンブロのポリカーボネイト製のフードパン 1/4サイズがぴったりなので使っている部署が多いです。おすすめですよ。高さも色々あって、砥石1個なら65mm, 砥石2個なら100mmのものがいいと思います。モノタロウで759円から売られています。
    砥石は常に平らにした方が良いと思います。
    ご参考になれば幸いです。

シトラス へ返信する コメントをキャンセル

目次