ウチでは10年以上前から化学調味料を一切使用しておらず、天然の食材だけでしっかりとしたおいしさを出せるよう工夫してきました。
そのノウハウをこの記事にまとめたいと思います。
天然のうまみ素材だけでおいしさを出すためには、うまみ素材を多重に重ね合わせる必要があります。
まず、料理をするときに、ほぼ必然的に2種類のうまみ素材が使われます。
それは肉・魚などのタンパク質と、醤油、味噌、醸造酒などの発酵調味料です。
これだけでは何か物足りない、という場合に、あと1~2種類、うまみ素材を加えると料理としてぐっとおいしくなります。
その、「あと1~2種類の何か」が用意できなくて、普通は顆粒だしやスープキューブ、◯◯の素 などを入れてしまうと思います。
しかし実は、天然素材で強いうまみを出す素材はたくさんあります。
ウチで使っている、オススメのうまみ素材のリストをご紹介します。

(上の画像にのっているもの)
- アミエビの塩辛
アミエビを塩漬にしたもので、澄んだ強いうまみとコクが出ます。アミエビのつぶつぶが気になる場合は、洋風料理のトマトソースなどに加えると良いです。 - ゲランド塩
ただの並塩と違い、うまみを含むので、これを入れるだけでかなり味が決まります。 - いりこ(煮干し)
頭と腹わたを取って水だしにして使います。くせのない強いうまみが万能であり、西洋料理にも日本料理にも何にでも使えます。 - 鰹の本枯節
燻して乾燥させたかつお節をさらにカビ付けして発酵させたもので、うまみ成分のイノシン酸は、昆布のグルタミン酸と混合させるとうまみが7倍に増幅して感じられます。季節の野菜の煮物にはこの混合出汁で十分です。 - 昆布
スッキリとした淡泊な味わいに仕上げたいときに単独で、濃厚な出汁が欲しい時はかつお節との混合で使います。水で冷蔵庫で一晩戻すだけで出汁が取れます。 - 干し貝柱
帆立貝柱を乾燥させたものです。水で戻してほぐして使います。独特の強いうまみがあり、中国料理やスープなどに使えます。 - オイスターソース
牡蠣エキスから作られた調味料です。コクがあるので、野菜炒めや中国料理によく合います。 - コラトゥーラ・ディ・アリーチ
イタリア産イワシの魚醤です。上品なうまみがあり、数滴加えるだけでうまみが増します。魚醤はこれに限らず色々あり(しょっつる、いしる、ナンプラー、ヌクマム等)、うまく活用すれば料理をさらにおいしくできると思います。
まだまだあります。
- 鶏の手羽先
骨や骨髄からは強いうまみが取れます。鶏の手羽先は安く簡単に入手できるのでおすすめです。 - 炒め玉ねぎ
玉ねぎをスライスして多めの油で弱火でじっくり茶色くなるまで炒めたものです。洋風のスープやポタージュのベースにすると良いです。 - ミルポワ
玉ねぎ、にんじん、セロリ を細かく刻んで炒めたもので、カレー、シチュー、トマト煮 などのベースとして万能です。 - 干し椎茸
個人的に、息子が苦手なのであまり使わなくなってしまいましたが、独特の香りとコクがあるので煮物などに使います。 - 鮪の削り節
鰹とはまた違った上品で洗練された味です。
私の場合は、こんな風に組み合わせています。
- お味噌汁
いりこ出汁、味噌 - 吸物
混合出汁(鰹の本枯節、昆布)、ゲランド塩、薄口醤油 - 野菜の煮物
簡単にしたい場合→いりこ出汁、味醂、薄口醤油、通常→混合出汁(鰹の本枯節、昆布)、味醂、薄口醤油 - 肉野菜炒め
酒、醤油、オイスターソース - 野菜のポタージュ
バター、玉ねぎ炒め、ゲランド塩、コラトゥーラ・ディ・アリーチ - トマトソース
ミルポワ(玉ねぎ、セロリ、にんじん)、ゲランド塩、アミエビの塩辛 - 麻婆豆腐
酒、濃口醤油、干し貝柱 - 八宝菜
酒、ゲランド塩、薄口醤油、干し貝柱 - ゴーヤーチャンプルー
ゲランド塩、薄口醤油、鮪の削り節
このような多様なうまみ素材をどんな料理にどう組み合わせるかは、料理を作る方の思想とセンスだと思います。
そしてそれこそが料理の楽しさであり醍醐味だと思います。
私個人的には、天然の繊細な味に慣れると、あまり色々追加しなくても、素材とゲランド塩、醤油 などでも十分に感じられるようになってきたんですけどね。
逆にこういった素材をいっぱい入れても何か物足りないと感じる方がもしいるとしたら、それは、化学調味料に慣れきった舌だと言わざるを得ません。
外食、特に安い店は化学調味料をたくさん使ってます。天然の素材はすごくコストがかかるから、安い料理には使えないのです。
自分の作る料理だけは、天然の素材を楽しもうと思って、試行錯誤する日々です。
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