グラッパって無色透明の液体で、アルコールの度数が高く、刺激がきつくて酔いやすいといったイメージがありました。そんな印象を根本から覆すようなすばらしいグラッパをご紹介します。
ベルタはイタリアのグラッパ蒸留所です。
グラッパはブランデーの一種ですが、ブランデーが白ワインを蒸留するのに対して、グラッパはワインに使うぶどうの絞りかすを蒸留するのが特徴です。
中でも、ソーロペルジャンは、樽を使って10年間も長期熟成したグラッパです。
これがとんでもない逸品でして、一口飲んで、思わず「なんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁこりゃぁぁぁぁあ!」と叫んでしまいました。
香りが、全然違います。マスカットや巨峰のような深みのあるぶどうの香りの奥に、ほんのりと枯れた木の葉の香りや、ミントのような清涼な香りもして、グラスに吸い込まれそうになりました。
飲んでみると(もちろん、ストレートで。何かで割るなんてもったいなさすぎる)、マスカット、巨峰、枯れ葉を含む森林感 が立体的に包みこんできて、香りに見合った自然な上品な甘みとうまみ が感じられました。
アルコールの刺激はほとんど感じられず、ものすごくなめらかで飲み心地が良かったです。そして口の中に長く続く余韻が心地よかったです。「もっと飲みたい。もっともっと。」と、思わずおかわりしてしまいました。
この1年間、シングルモルトウイスキーを30本以上飲んで評価してきて、うまい酒とは何か、自分なりに感じ取ってきました。
このソーロペルジャンとシングルモルトを単純に比較することはできません。なぜなら、原料も価格帯も全然違うものだからです。ウイスキーは大麦の麦芽、グラッパはぶどうの絞りかすが原材料です。ソーロペルジャンのお値段はスコッチのスタンダードなシングルモルトの4,5倍します。
でもそれにしても、ソーロペルジャンは味も香りも別次元でして、ものすごく良かったです。グラッパという分野、ほとんど飲んだことがなかったけれど、他にも良いものがあるのではないかと探求したくなりました。
大切な人とそっと分かち合いたいお酒だと思いました。
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